7月のカレンダー 7月14日

釋一心のひとこと

お参りの先々で、ご門徒さまの家に上がらせていただきますと、お正月にお寺より配らさせていただきましたカレンダーが目に飛びこんできます。玄関や仏間あるいはトイレに掛けられているのを見るたびに、『あ〜使ってくれてはる〜』と嬉しい気持ちになります。

今月7月は、『今日もまた 幸せ求めて四苦八苦』と書かれております。確かに我々、あーでもない!こーでもないと、日々迷いまくりながら、四苦八苦しながら生かされております。

『幸せを求めて』と書いてあります。そもそも、『幸せって何?』と自問自答してみてください。自分の内面から溢れ出る、その欲求が満たされることが、幸せと感じる方もいらっしゃるでしょう。美味しいもの食べられたとき、『カツ丼頬ばりながら、あ〜なんて幸せなんだ!』しかし翌日には、『あ〜お腹すいた〜!鰻重たべたい〜!』って。

わたしがアラスカで、領事館勤務をしていたころの話です。ある日上司は、勤務時間中にもかからず、酒をチビリチビリ呑みながら、わたしを捕まえて、『おい!山口〜!お前幸せってなんだかわかるか〜!』うわ〜また始まった〜、捕まっちまった〜と。「そら、大金を掴んで、贅沢三昧に暮らすことでしょう!」😆 『あのなぁ〜山口〜!幸せなんてものはなぁ〜形があるわけではね〜んだよ!』『雲を掴むようなもんでさ〜』『そんな掴みようがないものを追っかけるから、人間は、苦しむんだよ〜』って。その上司、気持ち良さそうにわたしに説教をたれまくるのでありました。

たまには良いこといいはるやんと😆!今も心にのこるお説教でした。

欲求は、次から次へと湧き出してきます。天上知らずです。

わたしの好きな言葉に、【衣食足りて礼節を知る】があります。 [由来] は、「管子-牧民」の冒頭の一節から。「政治家の務めは、倉庫を一杯にしておくことにある。なぜならば、人々は『倉そう廩りん実みちて則すなわち礼節を知り、衣食足りて則ち栄えい辱じょくを知る(倉庫が一杯になってはじめて礼儀をわきまえるようになり、衣服や食糧が充分あってこそ名誉や恥について考えるようになる)』からだ」と述べています。ものや食べるものが十分にあってこそ、人は礼儀や節度をわきまえるようになる、ということ。【コトバンクより】

わたしは、衣食がみたされ雨露をしのげる住処さえあれば、野蛮な人間ではなく、礼儀や節度をわきまえられる人として生きていける。それを幸せだと思い、欲をかかないように生きてきました。いまでは、それに加えて、阿弥陀佛からいつも見守られながら、生かされていくのが、このうえない幸せだと。本当に贅沢と心底思える今日このごろでございます。

    合掌 南無阿弥陀佛

追伸

あと、好きな時に、お昼寝できて、お風呂で長湯できたら、この上ない幸せをかんじております。