入れ歯 10月15日

釋一心のひとこと

懇意にしております歯科医師さんが、歯科医師会主催の相談窓口で、ある高齢の患者さんから相談をうけた時の話。


九十歳くらいのおじいちゃん、入れ歯があわなくて、食べたい物をたべたいんだけど。インプラント手術(上顎若しくは下顎にボルトを埋め込み、歯を固定する最先端治療)をしたら好きな物が食べられると聞いて相談しにきましたと。

でも手術代250万円。家族から反対されておりまして。でも残り少ない人生だからこそ、心おきなく美味しいものをたべて,往生したいと!
家族は、余命幾ばくであろうこのお爺さんに、無駄なお金を使うのは大反対って!

250万円がこのお爺さんの財布からでしたら,誰も文句は言えないのでしょうが…自分のお金なら、お爺さんは相談に来る必要もなかったことからして、間違いなく家族のお金をあてにしてであったかと…最後に美味しい食事をしたい!って言うお爺さんの気持ち、痛いほどわかるのですが… 南無阿弥陀佛 合掌

追伸、皆さんがこのお爺さんのご家族でしたら、どのような決断をくだされますか? お爺さんの人間界最期の願いを叶えてあげるか、いやいや家族がこれからの生活の足しになる大切なお金を入れ歯になんかに!でしょうか?

ご家族にとって,どのようなお人柄のお爺さんであったかにもよるでしょうが…