蓮如上人が、一休禅師と懇意にされていたときのお話②です。
『お経 (仏説阿弥陀経) には、極楽浄土とはこれより西方、十万億土の仏土を過ぎたところに世界あり。名づけて極楽』と示されております。』
『その浄土に仏ありて阿弥陀と号す』と示されていることからも、遠すぎて年を重ねた方ではとても無理といわれたのでしょう。いやいや、若くても無理な話です。しかしこれは、距離だけのことではありません、それほど私の生き様は、悟りの世界とかけ離れていることでもあります。
![](https://saishinji.site/wp-content/uploads/2022/03/img_7010-1.jpg)
或る時一休禅師から手紙が届いたそうです。そこには『極楽は 十万億土というからは お年寄りには とても行けまい』と歌が書いてあったそうです。
さて、その手紙を受け取った蓮如上人は、『極楽は 十万億土というけれど 近道すれば 南無の一声』と返事を書かれたそうです。
![](https://saishinji.site/wp-content/uploads/2022/03/img_7011-1.jpg)
どれ程かけ離れていようと、阿弥陀さまのすくいのはたらきは、既にこの私を迎え、受け入れてくださっているから大丈夫なのだよ、それが証拠に南無阿弥陀仏と口からこぼれ出てくださっています。
そこで、『近道すれば南無の一声』とお示しくださったのです。
蓮如上人、一休さんのヒネクレた問いかけに怯むことなく、完璧な答えをお示しになられておられます。
大切な方に思われ、願われている私であると、受けとめた時には、どれほど離れていようとも、いつもそばにいてくださっている、ともにいてくださることの温かさを感じて、生きていくことができるのでしょう。合掌 南無阿弥陀佛
![](https://saishinji.site/wp-content/uploads/2022/03/img_7050.jpg)