不思議な言葉 お蔭さま 8月20日 後編

釋一心のひとこと

「おかげさま」
小さい頃、大人の人たちが「お元気ですか? おかわりございませんか? おかげさまで〜」とご挨拶していたのをうっすら覚えています。『おかげさま』にはおかげさまで助かります。ありがとうございます。感謝いたします。という意味あいが込められているのでしょうか。目の前の人だけに感謝しているのではなく、物にも、見えない物体やいろんな現象に対しても感謝の意をこめて日常的に使っている不思議な言葉のひとつです。

日本人は、本質をそのまま語らないで、大切なものは明らかにしないで感じる。そんな美意識が生んだ究極の言葉が『おかげさま』といわれているそうです。その『おかげさま』の究極の反対語は? 同意義語ともうしましょうか『おひかりさま』なのだそうです。『おかげさま』はもともとは「蔭」でなく、元である日や月の「光」を意識した言葉だそうです。日本人は大切なものは明らかにしないで表に出さないで感じるのが美徳としているのかもしれません。そんな『お蔭さま』の代表が、光の如来さまとあおがれ、我々が手を合わせる阿弥陀如来さまなのでございます。南無阿弥陀佛 合掌