お墓参りのとき、墓石の上から水をかける? かけない?
一通り墓石の掃除が終わったら、お花やお線香を供えて、最後に墓石の上からお水をかける、という方をよく見かけます。
①水をかけてよい ②水はかけてはいけない。というよに意見が2つに分かれています。皆さまはどちらでしょうか?
結論から申しますと、お墓の上から水をかけるかどうかについては、仏教的な決まりはなんにもございませんから、本当は【どちらでもよい】のです。
ご門徒さんから、『一心さん、どちらですか?』って質問されたときは、私は『お墓の上から水をかけなくてもよい』とお伝えしております。
ただし、これは【水をかけてはいけない】ということではありませんので『水をかけたい方は』ご安心ください。法律でも定められておりませんし、懲役刑も罰金刑もありません。
ですから、べつにお墓の上から水をかけてもかまいません。かまわないのですが・・・「それをする必要がないのでは?」と思うところでございます。
両者の言い分を調べてみました。
《水をかける理由》
「お墓の上から水をかける」その理由としては、
- ご先祖様にお水を飲んで頂くため
- お墓のまわりにいる餓鬼への施し
- ご先祖様にお墓参りに来たことをお知らせするため
- お釈迦様の誕生日の『花まつり(灌仏会)』の真似
- 墓石の汚れを洗い流すため などを挙げています。お墓に水をかければ大まかな砂ぼこりなどが洗い流されてキレイになります。つまり、お墓の上から水をかけるのは、墓石の汚れを洗い流すため、というわけです。
《水をかけない理由》
「お墓の上から水をかけてはいけない」その理由としては、
① ご先祖様の頭の上から水をかけるようなものだから。これは、お墓そのものを『ご先祖様の身体』に見たてているのです。そうすると、お墓の上から水をかける行為が、あたかも『ご先祖様の頭から水をかけている』。非礼にあたるということですね。
西信寺では、『お墓の上から水をかけなくてもよい』と考えています。水を『かけてはいけない』というわけではなく、『かけなくてもいい』ということなので誤解のないようお願いします。
お墓の上から水をかけなくてもよい理由は、お墓には【水鉢】があるので、そこへ水を注げばよいからです。
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水鉢とは、お墓の中央部(2つある花立ての間)にあり、その名のとおり仏様へ【水】を供えるための【鉢状のくぼみ】の部分をいいます。お墓参りをする時には、この水鉢に水を供えます。
【墓石の汚れを洗い流すため】については、お墓を洗うことが目的なのであれば、上から水をかけるのではなく【濡れた布】で汚れをちゃんとふき取ってあげましょう。
《水以外のものをかけるのは⁉️》
お墓には、お線香・お花・お水の他にも、『故人の好きだったもの』などもお供えします。この『故人の好きだったもの』として、お酒をお供えするという人が多いのでございます。たまに、そのお酒を墓石の上からかけられる人がおられます。『お父さん!そちらで浴びるほど、お酒飲んでね!』と。お酒には【糖分】が含まれていますので、お墓にシミがついて墓石が変色したり、カビが発生したり劣化の原因となります。ですから、墓石の上からお酒をかけないようにしましょう。長々と書いてしまいましたが、そういうことでございます。 南無阿弥陀佛 合掌
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追伸、缶ジュース、缶ビール、缶詰などのお供えは、墓へ置きっぱなしにしないようにして下さい。特に、缶を置きっぱなしにしてしまうと、缶のサビがそのまま墓石に移ってしまうことがありますので要注意です。まとめ:お墓の上から水をかけなくても良いですよ😆